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下が上に剋(か)つと書き「下剋(こく)上」。「群雄割拠」と並び、戦国の世を象徴する言葉だ。
僧侶、油売りから美濃一国の領主にまで上り詰めた斎藤道三などはその典型だろう
▼プロ野球日本シリーズで中日を下し、4度目の日本一になったロッテが「史上最大の下剋上」を自認している。
パ・リーグ3位ながら上位2球団を退けて頂上決戦に駒を進め、セ・リーグ覇者を打ち破ったのだから、
まさに上に剋つである
▼下からはい上がる点で中日・落合博満、ロッテ・西村徳文両監督の現役時代の生きざまも下剋上に通じる。
ドラフト3位と5位指名でロッテ入団。地道な努力で落合監督は3度の三冠王、西村監督は首位打者と盗塁王を獲得。
上位指名選手をはるかにしのぐ実績を残した
▼今年の日本シリーズは3試合が地上波で中継されなかった。「視聴率が稼げない」のが理由だった。
「プロ野球は魅力的なコンテンツではない」とテレビ局に宣言されたようで、ファンの失望感は大きかった
▼ところが、ふたを開けてみると人気は健在であった。5時間43分に及ぶ激闘で引き分けた第6戦の平均視聴率は17%台。
最終第7戦は20%を超えた。最近は大リーグやJリーグ中継に押されていたプロ野球だが、
久々に主役の座を奪った印象が強い
▼実力、人気が上位でも、常に下に討たれる可能性がある緊張感は、プロの世界には欠かせない要素だ。
スポーツの魅力は真剣勝負が生み出す筋書きのないドラマ。下剋上は、その原動力となる。
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