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明治維新以降、日本の美術品が大量に海外へ流出した時代があった。進んでいる欧米に比べれば、自分たちの伝統文化など取るに足らないものだという思い込みが、
本来であればもっと評価されてもいい作品の価値を不当なほどに引き下げてしまったのである。
いまの日本サッカーも、それと似ていないだろうか。
ドルトムントに渡った香川は、いよいよその評価を高めつつある。今後、マークはより厳しくなるだろうし、壁にぶち当たる時期も出てくるだろうが、
それはあくまでも“スランプ”と見られるはずで、彼の才能自体に疑念を差し挟む人間はいないはずだ。
では、ドルトムントは“天才”との評価さえ受けつつある日本人を、いったいいくらで手に入れたのか。香川を売ったことで、セレッソ大阪はどれだけの利益を得たのか。
すでに、香川の価値は1カ月前の10倍以上になっていると聞く。当然である。元がタダ同然だったのだから。賭けてもいいが、
たとえ1カ月前の50倍の値がつけられようとも、ドルトムントのフロントは放出を了とはしないはずである。せめて100倍以上。日本円で20億円をはるかに超える提示がなされない限りは。
では、香川を育てたのはドルトムントなのか。ドルトムントでなければ、彼は才能を発揮することができなかったのか。違う。香川を育てたのは日本だった。セレッソだった。
彼は去年も、W杯直前も、多くの試合で才能をきらめかせていた。それを日本が、日本人が評価しないだけだった。
香川のような選手が日本の2部リーグでプレーしていたという事実は、世界中から才能を収集しようとしている人間の探究心を大いに刺激することだろう。
香川の今後の活躍次第では、日本はスカウトにとっての“黄金の国”となっていくかもしれない。あれほどの才能が、タダ同然の金額で手に入れられるとなればなおさらである。
(つづく)