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日本サッカー界にとって、正の遺産になるのか、それとも負の遺産になるのか―。
日本サッカー協会の犬飼基昭前会長はあっという間に表舞台から姿を消したが、
彼がぶちあげた「秋春制」というJリーグの改革案だけは、しぶとく生き残り続けている。
後任の小倉純二会長も「経済状況や環境が許せば、今後5年から10年内に実行したい」と語り、
積極的にこの問題に取り組むつもりだ。
しかし、依然として、雪の影響が予想されるJリーグのクラブやサポーターからは、
反対の声が上がっている。当然だろう。話にちっとも具体性がともなっていないからだ。
「日本代表のマッチメイクがしやすい」と言われてもクラブには関係のないことだし、
「欧州リーグへの移籍の潤滑化」は逆にデメリットになりかねない。
クラブ側のメリットをあげるとすれば、夏場の試合を減らして、試合のクオリティーを高めることぐらい。
乱暴な言い方をすれば、メリットとされることは、ほぼすべて「日本サッカー協会」にとっての
ものばかりなのだ。これでは「自分たちの力のなさを、Jリーグに責任転嫁しているだけでは?」
という声があがっても不思議ではない。
結論から言うなら、いつ開幕するかに正解はなく、春に開幕しても、秋に開幕しても、
それぞれ長所も短所もあるのだ。だが、日本における「秋春制」の議論には、
決定的に2つの要素が欠けている、と筆者は考えている。
1つ目は、表現の具体性だ。
「秋」を辞書で引くと、「9月から11月」とある。おそらく犬飼前会長は「9月に開幕して、5月に終了する」
とイメージしていたのだろう。だが、通常ヨーロッパのリーグが開幕するのは7月~8月だ。
ヨーロッパは「夏春制」と呼ぶべきで、「秋春制」ではない。
(続く)
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