10/08/19 18:19:18 0
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SLG、XBH、OPS…。何の略か即座に分かる人は相当の野球通だ。
長打率、単打以外安打数、出塁率+長打率の略で、
大リーグの公式ホームページをのぞくと、各打者の記録欄には29、投手の欄には31もの項目が並んでいる。
野球と記録の相性は抜群だ。さまざまな数字とともに野球は語られ、記憶を喚起してきた。
大投手、江夏豊さんに半年間、週に一度のインタビューを続けたことがある。
ある日、黙って野球博物館で調べ物を終え、江夏さんの自宅に向かった。
「きょうは『41球』でいかがでしょう」「おう、いいよ」。41球は、昭和46年のオールスターで江夏さんが9連続三振を奪った球数だった。
事前の打ち合わせもないまま、1球目からコース、球種、打者との駆け引きなどがよどみなく語られた。
例えば最後の打者、加藤英司がファウルフライを打ち上げ、田淵幸一捕手に「追うな」と叫ぶ。なぜそう叫んだか。
江夏さんは、怖かったのだと言った。静まりかえる満員の観衆のすべての視線が自分に集まっていた。
一刻も早く逃げ出したい。スタンドに入るファウルなど追わずに早く座って俺(おれ)の球を受けてくれ。
三振に取る自信はある。早く終わらせてこの場を去ろう。それが「追うな」の真相だった。そうしたドラマが一球一球にあった。
米国生まれの野球と対極にあり記録になじまないのが英国発祥のラグビーやサッカーだと思っていた。
「41球」と同じ46年、ラグビー全日本は母国イングランドと秩父宮で死闘を繰り広げ、3-6で惜敗した。
この試合を連載で追ったことがある。
(つづく)