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11日のW杯決勝(ヨハネスブルク・サッカー・シティー)は、ともに初優勝を目指すオランダとスペインが激突する。
オランダのMFアリエン・ロッベン(26=バイエルンM)は内容より勝負にこだわることを宣言。
同国史上最高の選手といわれるヨハン・クライフが築いた“美しいサッカー”という伝統のスタイルを封印して、華麗なパスサッカーで魅せるスペインを打ち破る。
“美しいサッカー”を追求してきた国同士の決勝戦。オランダはその理想を捨ててでも、初の栄冠をつかみにいく。スペイン撃破に懸けるイレブンの決意を、MFロッベンが代弁した。
「美しい試合をして負けるより、最悪のプレーでも勝つ方がいい。決勝まできたら内容なんて関係ない。結果がすべて」
クライフ哲学と決別することで、クライフ超えを目指す。オランダ伝統のスタイルは、74年大会で世界に衝撃を与えた全員守備、全員攻撃の「トータルフットボール」。
その中心にいた天才クライフは「美しく敗れることを恥と思うな。ぶざまに勝つことを恥と思え」と攻撃サッカーを展開したが、決勝で西ドイツに敗れ準優勝に終わった。
クライフの理想主義とは対照的に、08年に就任したファンマルバイク監督が推し進めたのは現実路線。
「現代サッカーは、トータルフットボールでは勝てない」と伝統を否定した上で、最初に取り組んだのが守備の構築と選手の意識改革だった。
「就任した1日目から“2位ではダメだ”と言い続けてきた」と指揮官の勝利にこだわる姿勢がイレブンに浸透。
欧州予選を8戦全勝で突破し、本大会も6戦全勝で決勝進出と結果を残してきた。
74、78年の決勝はともに美しく散った。「“いいサッカーだね”と言われても意味はない。結果を残したいんだ」とロッベン。
“3度目の正直”で勝利して、スペイン優勝を予言したクライフ氏を見返してみせる。