10/06/28 11:42:28 0
もし“大会期間中に最も変貌(へんぼう)したチーム選手権”なるものが開催されていたら、
前日までダントツの首位を走っていたのが日本だった。
だが、1次リーグ最終日に逆転劇は起きた。スペインによってうっちゃられた。
敗れたとはいえ、スイスとの初戦を戦ったスペインは、限りなくバルセロナに近いチームだった。
82年のブラジルにも似て、結果だけでなく、内容で世界を酔わせることのできるチームだった。
チリと戦ったスペインに、バルセロナの香りは微塵(みじん)もなかった。似ていたのは、
ペナルティーエリア外での反則でPKをもらい、外したPKを「GKが先に動いた」と蹴り直させてもらうなど、
ホームタウン・デシジョンの連発で薄汚く勝ち上がった82年W杯スペイン大会のスペイン代表だった。
大会期間中に信じられないほどポジティブに変貌したのが日本だったとしたら、
スペインは呆(あき)れ果てるほどネガティブに変質してしまった。
メンバーが代わったわけではない。ホンジュラス戦を休んだイニエスタも帰って来た。
言ってみれば、メッシがいないだけのバルセロナのようなチームだったというのに、
展開されたのはバルセロナでは見たこともないような退屈なサッカーだった。
28年ぶりに、わたしはスペインのサッカーに嫌悪感を覚えてしまった。
彼らは、旅の恥をかき捨てた。
(続く)
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