10/06/28 11:46:25 eQl6Qukq0
>>1の続き
思えば、2008年のスペインのユーロ(欧州選手権)での優勝、そして09年のバルセロナのチャンピオンズリーグ優勝は、
いずれもポゼッション重視の攻撃サッカーが、最も美しく理想的なものであり、
それこそが善であるというテーゼを世界中に流布させることとなった。その結果として「攻撃的=善」「守備的=悪」と
言わんばかりの二元論や、ポゼッションさえ高めていればおのずと勝利できるといった悪しき誤解がまん延し、
誰もがスペインやバルセロナを「あるべき姿」として追い求めるようになっていった。
だが言うまでもなく、サッカーのスタイルに善悪はなく、美醜の価値観も国や時代によって大きく異なる。
整形手術によってスタイル抜群の美人ばかりになった世界が、どれほど無意味で味気ないものか想像してみるといい。
今回のW杯は、そうした現状を是正する、まさに契機となる大会になりそうな気がしてならない(スイスの堂々とした戦いぶりを見よ)。
(宇都宮徹壱)