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サッカーのワールドカップ(W杯)で、まさかのグループリーグ敗退となった前回準優勝国フランス。
非白人選手のスターも多く、1990年代には「多人種融和の理想を体現した」ともてはやされた仏サッカーだが、
今回は内紛により自壊した揚げ句、史上最低とも言える結果を招いた。
「ドメネク(監督)長期支配の惨めな終焉(しゅうえん)」(ル・モンド紙)「仏サッカー連盟の責任も」(フィガロ紙)。
わずか1得点に終わり、1勝もあげられず、スキャンダルに明け暮れた仏チーム、運営責任者に対し、主要メディアは連日、集中砲火を浴びせている。
W杯出場を決めたアイルランド戦のゴールが元主将ティエリ・アンリ選手によるハンド絡みのアシストだったという醜聞に始まり、
大会中はFWが選手起用などを巡って監督に罵詈(ばり)雑言を吐き、強制退去処分に。
これに反発した選手らも練習をボイコットした。2選手の少女買春疑惑も明るみに出た。
「サッカーがフランスの恥になってしまった」
98年に仏チームをW杯優勝に導いたエメ・ジャッケ元監督はテレビ番組で、著しい品位低下をこう嘆いた。
選手育成の在り方を問題視する識者も多い。
10歳代半ばでプロ入りし、有力選手になれば20歳そこそこで年収10億円前後を手にする。
「大半は学業そっちのけで、プロ入り後の身辺の世話は取り巻き頼み。子供のまま大きくなった利己主義者たち」。
スポーツ記者のパスカル・コキ氏はブログにこう記した。
「政治とスポーツが作り上げた人種融和の虚構まで崩れ去った」。
こう指摘するのは、カーン大学のパトリック・バソール准教授(社会学)だ。
W杯優勝チームにはアラブ系、アフリカ系、中南米系の選手が多く、国民的英雄になったジネディーヌ・ジダン選手もアルジェリア系だ。
アンリ、ニコラ・アネルカ、エリック・アビダルなど、今も代表チームの主流は非白人選手。移民国家フランスの社会の下層で、多くの移民、
その子孫が貧困にあえぐ中、彼らの「夢」をつなぎ留めてきたのがサッカーだった。
しかし、バソール氏は「買春や薬物使用、マフィアとの接触など、多くの問題が表面に出てきた」と、「夢」の効果が薄れてきたと分析する。
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