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2011.12.10 03:33 [産経抄]
たまの用事で飛行機に乗り、窓際の席がとれないときに無聊(ぶりょう)をなぐさめてくれるのは、
小欄の場合、イヤホンで聴く落語である。寄席になかなか通えない消極的ファンにとって、空の上
で誰の邪魔も入らず人気者や名人上手の一席をじっくり聴けるひとときはありがたい。
▼先日もニッポン放送の深夜番組で一世を風靡(ふうび)した鶴光師匠が古典落語をやっていた
が、相変わらず小話はさえている。ある噺(はなし)家が会社のパーティーに呼ばれ、得意の謎か
けで社長を持ち上げようとした。ろうそくとかけて、社長と解く。そのこころは-。
▼正解は、「わが身を削ってまわりを明るくする」なのだが、つい口が滑ってしまった。「まわりを
削ってわが身を明るくする」とやって、外に放り出されましたとさ。
▼社長を政治家に置き換えても残念ながら後者が大多数だ。一川保夫防衛相は、不適切発言
をした前沖縄防衛局長に停職40日の厳罰を科したが、監督責任が問われてしかるべき自らには
今後の大臣給与返納という甘い処分のみ。参院で問責決議が可決され、いつ辞めてもおかしくな
い身の上には痛くも痒(かゆ)くもない。
▼マルチ商法企業との深い関わりやカネに関する噂の絶えない山岡賢次国家公安委員長への
問責決議も可決されたが、ご両人とも反省の色がまったくみられない。恥というものを知らないで
長年生きてこられたのだろう。
▼きのう閉会した国会では、国会議員の定数削減はおろか国家公務員給与も下げられなかった。
それどころか冬のボーナスは去年より増えている。国民を削ってわが身を明るくしているだけの
政治家は要らない。無能大臣をかばい、増税しか能のない野田佳彦首相はもちろんその一人である。