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2011.12.7
明日、開戦70年を迎えるあの戦争に国民を導いた要因の一つに政治家、軍人ら指導者
の定見のなさがある。北方に国の活路を求める「北進」から突然「南進」へと方向転換す
る。米国の出方を見誤り、独、伊との三国同盟を結ぶ。それらが重なり悲惨な結果を招い
たのだ。
▼そんな政治家の定見のなさを今に受け継いでいるとしか思えないのが鳩山由紀夫氏で
ある。首相時代、沖縄の米軍飛行場の移設先を「最低でも県外」と実現不可能な方針をふ
りまいて、混乱に陥れた。日米関係にも重大な亀裂を生じさせたのだった。
▼それでもこのときは「学べば学ぶほど(米海兵隊の)抑止力がわかった」と殊勝に反
省した。自民党政権時代の辺野古移設で米側と正式に合意、その上で退陣する。「宇宙
人」の異名をとるこの人でも、学習効果はあるのだと思ったものだ。
▼ところがそれから1年半の先日、講演での発言には驚いた。移設先について「辺野古
以外の所を探す努力を続ける必要がある」のだそうだ。まるで「北進」から「南進」に転
換し、もう一度「北進」に戻るようなものだ。日米関係悪化にも反省のカケラも見せなか
ったらしい。
▼むろん「宇宙人」の定見のなさや二枚舌には慣れている。しかし今は移設問題が重要
な段階にさしかかっているときである。それなのに元首相が自ら決めた政府方針を覆すよ
うな発言で足を引っ張る。こんな政治がまかり通るようでは、日本は相当に危うい。
▼今、鳩山氏がやるべきは、政治の世界から身をひくことだ。日米関係を修復しつつ沖
縄県民に理解を求める困難な仕事をやり抜くには、混乱を招いた張本人が真に反省してい
る姿を見せるしかない。それが世の常だ。