産経抄ファンクラブ第168集 at MASS
産経抄ファンクラブ第168集 - 暇つぶし2ch3:文責・名無しさん
11/11/25 10:08:07.97 e4JutHMg0
2011.11.25 03:03 [産経抄]
 「政務次官をクビになった談志が出ているよ」。参院議員時代、酒でしくじった
例の事件の直後、寄席の出番があって出かけると、表でこんな呼び込みをして
いた。案の定、師匠が高座に上がっただけで、満員の客は大爆笑だ。

 ▼それまでは、自分の落語の出来不出来が、客にとって一番大事なことだと思
っていた。実は違うと、悟ったという。「立川談志という存在自体を面白がっている。
芸とは、パーソナリティーそのものだ」。

 ▼「天才」「生意気」「風雲児」「毒舌」…。毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい落語
家人生は、常にこのような言葉で彩られてきた。一度だけお好み焼き店でほろ酔い
の師匠にインタビューする機会があった。しゃべりの迫力に圧倒された記憶しかない。

 ▼もっとも、昔の新聞の切り抜きを読み返していると、違った側面も見えてくる。
まだ百円札が流通していたころ、前座に小遣いをやるために、常にピンと手が切
れるような札を用意していた。自分で銀行に出かけ両替していたという。「運転手
に気を使わせるのがいや」で、自動車を持たず、ふとんに入った奥さんからせが
まれると、枕元で落語を聞かせた。

 ▼人間の業とは、かくも複雑だ。すべてを肯定するのが落語、これが持論だった。
密葬が終わるまで、志の輔さん、談春さん、志らくさんら自慢の弟子たちにも知らせ
なかったのは、師匠ならではの美学かもしれない。

 ▼生前から決めていた戒名の「立川雲黒斎家元勝手居士(たてかわうんこくさい
いえもとかってこじ)」は、漢字の字面こそもっともらしいが、読み上げると噴き出
してしまう。自らの死まで、見事に洒落(しゃれ)のめして旅立った。絶品といわれ
た『芝浜』を聞けないのは寂しいけれど、落語家としてもって瞑(めい)すべし、ではないか。


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