産経抄ファンクラブ第166集at MASS
産経抄ファンクラブ第166集 - 暇つぶし2ch853:名無し役
11/11/09 06:54:14.37 Hn51h+OW0
11月9日
 相撲界に「北向き」という言葉があるそうだ。変わり者とか頑固者といっ
 た意味だという。石井代蔵氏の『大関にかなう』には、そんな「北向き」
 の典型として元関脇・岩風が登場する。「潜航艇」の異名で昭和30年代
 の土俵をわかせた怪力の力士である。

 ▼頭を下げる独特の相撲で初代の横綱・若乃花を土俵外へ放り投げたこと
 もあった。だが稽古嫌いである。気にくわないことがあると1週間も2週
 間も口をきかない。特に相撲記者には無口で、殊勲の星をあげると記者た
 ちは「困ったのが勝ちやがった」と嘆いたという。

 ▼時代が下り、土俵から「北向き」も少なくなっていった中で、そんな雰
 囲気を醸し出していたのが、横綱・隆の里だった。こちらも「ポパイ」と
 呼ばれた怪力で、糖尿病に悩まされたのも岩風と同じである。やはり無口
 で記者泣かせだった。

 ▼サンケイスポーツの今村忠編集委員によると、じゃんけんしてチョキで
 負けたのに「チョキはグーに勝ちだ」と譲らなかった。故郷・津軽のルー
 ルだと言うのだが、それほど頑固だった。岩風と違ったのは稽古熱心なこ
 とで、糖尿病も克服して最高位まで上りつめた。

 ▼その頑固ぶりは親方となり鳴戸部屋を起こしても変わらなかった。多く
 の力士が他の部屋を訪ねて技をみがく「出稽古」が主流という時代に、弟
 子たちにこれを禁じた。「ヨソの部屋の力士に情がうつるから」という理
 由だが、どこか幕末の攘夷論者を思わせた。

 ▼亡くなったのは、週刊誌で部屋での「暴力」が取り上げられた騒ぎの最
 中だった。真相はわからないが、その頑固さが騒ぎを招いたことは間違い
 ないだろう。どの世界にも「北向き」の1人や2人いなくては寂しい。



次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch