11/11/03 05:25:10.62 JY441LfO0
11月3日
約100万人が暮らしていた江戸の町は、現代よりずっと進んだリサイクル社会だったといわれている。
それでも、1日あたり数千俵、時には1万俵を超える生ごみの処理は、大問題だ。
▼新たな捨て場作りを提案する北町奉行に、根本的な解決にはならない、と南町奉行が反対する。
ならば「貴公の知行地にでも捨てさせてくれると言われるのか」。せせら笑う北町奉行に、南町奉行が激高して…。
杉本苑子さんの『大江戸ゴミ戦争』にこんな場面があった。
▼昭和40年代半ばの東京では、本当に「ごみ戦争」が勃発する。当時江東区民は、埋め立て地に運ばれる、
増える一方のごみに悩まされていた。やがて杉並区からのごみ搬送車に、区長自ら立ちはだかる事態に発展する。
住民の反対を理由に、焼却場を建設しなかったからだ。
▼1日、突然に辞意表明した東京都小金井市の佐藤和雄市長(54)は、こんな歴史をもつ問題に対して、
あまりにもナイーブ(無知)だった。小金井市は、老朽化した焼却場を閉鎖した平成19年以来、周辺の市に可燃ごみの処理を依存してきた。
▼元朝日新聞記者の佐藤市長は、そのための費用を「ムダ遣い」と断じたのだ。初当選をめざして立候補した、
今年4月の市長選での発言だ。周辺市が不信を抱いて、支援を拒否するのも当然だ。ごみの新たな受け入れ先は、とうとう見つからなかった。
▼非常識な発言で、普天間問題をこじらせたあげく政権を投げ出した、鳩山由紀夫元首相とそっくりだ。
政権維持だけが目的だったとしか思えない菅直人前首相とともに、反省のそぶりも見せないまま政界に居座っている。
佐藤市長には、せめてそんな醜態をさらさないでほしい。