産経抄ファンクラブ第165集at MASS
産経抄ファンクラブ第165集 - 暇つぶし2ch531:文責・名無しさん
11/10/17 06:06:46.76 l5xEvfSVP
産経抄                                  10月17日
土曜日付の読売新聞の『編集手帳』が、「敬愛する同業先輩」として、小
欄読者にはおなじみの石井英夫さんを取り上げていた。お返しでいうわ
けではないが、その石井さんはかつて、尊敬する「コラムの鬼」として、
昭和30、40年代の『よみうり寸評』の筆者を挙げていた。昭和44年の
秋、60歳の若さで亡くなった細川忠雄である。
▼『忘れられた名文たち』の著者、鴨下信一さんら文章の目利きたちか
らも絶賛されてきた。週末に図書館でコラムの数々を読み返し、改めて
舌を巻く。時事問題への切り込みの鋭さは言うまでもない。
▼「家人はたいていのことには、私の言いなり放題に従うが、ときにして
ぴりっとレジスタンスのワサビをきかせることがある」。こんな具合にしば
しば、奥さんや子供、孫との生活をユーモラスに書きつづった。
▼新聞コラムではタブーとされる「家族もの」で読者をうならせるには、
よほどの覚悟が必要だ。最後のコラム集の後書きで、その舞台裏が明
かされている。奥さんによれば、『寸評』を担当して以来、好きなゴルフを
やめ、酒仲間との会合も控えるようになり、夜は10時には寝てしまう。
▼特注の分厚い画用紙のような原稿用紙に、鋭く削った鉛筆で、文字を
刻んでいったという。死の前日、奥さんから差し出された原稿用紙に、3
本の小さな線を書いて倒れた。書き出しのノンブルの(1)でないか、と周
囲の人は想像した。
▼説教にはおよそ縁のない人だったが、珍しく新入社員の前で演説をぶ
ってしまったことがある。「知恵もないが、その知恵を絞り出す努力が足り
ないのである」。耳の痛い叱責を、「新聞週間」の間だけでも机の前に貼
り出しておくつもりだ。


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