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産経抄 9月21日
しばしば思い出すジョークがある。早坂隆氏『世界の日本人ジョーク集』に
出てくる「スープに蠅(はえ)が入っていたら?」という話だ。レストランでそ
んな目にあったときの各国の人間の反応の違いを、ユーモラスに分析して
いる。
▼ドイツ人は「スープは熱いので十分に殺菌されている」と冷静に考え蠅
を取り出しスープを飲む。イギリス人は皮肉を言ってから店を出ていく。
「ボーイを呼び、コックを呼び、支配人を呼び、あげくに裁判沙汰となる」の
はアメリカ人である。
▼各国人の特性を巧みにとらえていて笑える。だが日本人が笑えないの
は韓国人の反応だ。「蠅が入っているのは日本人のせいだと叫び、日の丸
を燃やす」である。本が出版されたのは5年前で、当時から「国際的」に有
名になっていた韓国人の「反日」は今も変わらないようだ。
▼「竹島」の次は「慰安婦」である。日本統治時代の元「従軍慰安婦」を支
援する団体が「記念碑」建立を計画、当局の許可を得たという。ソウルの
日本大使館の前だ。しかも保健福祉相が建立を推奨する文書を流してい
たそうだ。官民一体の「反日」といえる。
▼「慰安婦」についても日韓の間には大きな認識の溝がある。それを無視
し一方的に嫌がらせしてくる。来年の総選挙で苦戦が伝えられる与党がテ
コ入れに利用しようとしているためとの見方もある。だが大使館の前とは、
国際社会からはとても好意的に見られないだろう。
▼先のジョークで、日本人は「自分だけに蠅が入っているのを確認してか
ら、そっとボーイを呼びつける」である。戦後日本外交の弱腰ぶりを見るよ
うだが、ここは抗議だけでなく「恥をかきますよ」と忠告の一つもするところ
だ。