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【産経抄】9月2日
きのう「どじょう演説」を取り上げた野田佳彦新首相は、例え話の巧みさで定評がある。
「若乃花と貴乃花のような切ない思いがある」。先の民主党代表選で、前原誠司政調会長
との対決についてのコメントは味わい深かった。
▼なかでも秀逸なのが平成15年の自由党との合併で、民主党に乗り込んできた小沢一郎氏
を評した言葉だ。「モーニング娘。の中に天童よしみが入ったようなものだ」。
▼民主党両院議員総会でのあいさつでも、サッカーを例えに使った。「全体を見て戦略的に
パスを回せるミッドフィールダー(MF)になってほしい」「私も含め(得点を狙う)
センターフォワード(CF)になりたい人はいっぱいいる」。
▼チームワークの大切さを訴えたい気持ちはわかるが、去年のW杯でベスト16入りした
日本代表の戦いぶりを思い起こすと、違和感を覚える。というのも、従来のチームは中盤の
パス回しは得意だが得点力がない、との烙印(らくいん)を押されていた。それを打ち破った
のが、MFながらCFとしても起用される本田圭佑選手ら攻撃的な選手だったからだ。
▼そういえば、石原慎太郎東京都知事から、「あなた、総理大臣やりなさいよ」と
呼びかけられた沢穂希選手も「なでしこジャパン」のMFだった。「私の背中を見て」
とチームをW杯優勝に導き、自らもMVPと得点王に輝いた。
▼きのう中国で、ロンドン五輪アジア最終予選が始まった。初戦のタイには快勝した
ものの、過密日程で強豪との対戦が続く。どんな過酷な試練も気力ではね返し、誰もが
チャンスを見つけて得点を狙う。そんな豪快な戦いぶりを見せつけて、のっけから閣僚
人事でもたつく新政権に活を入れてほしい。