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9月1日
「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」。野田佳彦新首相が民主党代表選の演説で、引用した詩の作者である相田みつをが、
再び脚光を浴びている。きのう、東京都千代田区にある「相田みつを美術館」を訪ねると、平日にもかかわらず大盛況だった。
▼還暦ごろまでほとんど無名だった相田の書と詩が、昭和50年代の終わりごろから爆発的な人気を呼ぶようになる。平成3年、
証券不祥事の最中にあった田淵節也野村証券会長が、苦悩の日々の座右の書としていたことは、よく知られている。
▼同じ年に相田が67歳で亡くなってからも、根強い人気を保ってきた。民主党の新幹事長に決まった輿石東参院議員会長も
ファンだったとは知らなかった。野田氏の演説は、自分の持ち味である泥臭さをアピールするだけでなく、輿石氏へのラブコールでもあったらしい。
▼しかし果たして今回の人事は、どじょう首相にふさわしかったのだろうか。人間の弱さや迷いを含めて肯定するのが、
相田の作品の特徴だが、長男で美術館館長の一人さんは、その生き方を「生一本」と呼ぶ。
▼旧制中学時代、喫煙のぬれぎぬを着せられ進学できなかった。無実の証しとして、生涯一度もたばこを手にしなかったという。
家族を抱えて貧困のなかにあっても、勤めに出るのを潔しとしなかった。
▼野田氏の美質も、財政再建にかける思いや歴史認識における「生一本」ぶりだと思っていた。買いかぶりだったようだ。
党内融和を言い訳に、政治理念も政策もまったく相いれない人物に党務を託し、小沢一郎氏の復権への道を開くとは。
「金魚のまね」をしているのか、それとも政権維持の最優先が、どじょうの本音なのか。