産経抄ファンクラブ第162集at MASS
産経抄ファンクラブ第162集 - 暇つぶし2ch692:文責・名無しさん
11/08/29 06:02:54.09 qO+NrvB3P
産経抄                                 8月29日
先月20日に、先輩記者の一人が79歳でひっそりと亡くなった。「ひっそり」
というのは、生前葬儀の手配を自分で済ませ、娘さんに「誰にも知らせるな」
と厳命していたからだ。それではあんまりと先週末、友人たちが「天国へ送
る会」を開いた。
▼「敏腕」とはお世辞にもいえない記者だった。駆け出しの支局時代、せっ
かくのスクープを間違えてライバル社に電話送稿し、感謝された逸話(いつ
わ)を残す。
▼文芸記者になってすぐに担当したのが、阿川弘之さんだ。長女でエッセ
イストの佐和子さんは、「あー」という電話の前置きの声が懐かしいという。
しばしば「私はどこに電話しとるんでしょうか」と情けない声が続く。別の日
には、自宅と間違えたのか「今日はうちでメシを食う」の一言で切ってしまう。
▼故遠藤周作さんとの交遊も文壇では有名だった。「婚前交渉とかしとる
んですか」。長男でフジテレビ常務の龍之介さんは30年前、たまたま婚約
者を交えて4人でお茶を飲んでいたとき、いきなり切り出されて仰天する。
「父親のおれでも聞いとらんのに」。遠藤さんはくやしがった。
▼よく家を追い出され、遠藤宅で食事をごちそうになった。遠藤さんに勧め
られて修道会が発行する月刊誌に連載した『恐妻家日記』は、後に本になる。
神と結婚したシスターたちに大好評だった。「人間と結婚しなくてよかった」と
胸をなでおろしたという。
▼その奥さんをすでに見送り、今は桜の木の下で仲良く眠っている。金田浩
一呂。「かねやん」の愛称で、夕刊フジに秀逸な書評と軽妙なエッセーを長く
書いてきた。親しい人を小欄で取り上げるのは気が引けるけれど、愛すべき
人柄を紹介せずにはいられない。


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