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産経抄 8月27日
他人様(ひとさま)に自分の名前を書いてもらわないと商売にならない
政治家とはなんとも因果な商売である。選挙になると、辺り構わず土
下座する候補者がいまだにいるが、さすがに投票権を持っていないヒ
トにまで頭を下げる政治家はまれだ。
▼刑事被告人になったため党員資格を停止された小沢一郎氏は、当
然ながら29日の民主党代表選で一票を投じられない。それでもポスト
菅に名乗りを上げた人々のほとんどは、挨拶に出かけた。
▼不遇の先達にまで気を配るとは、みなさんよほど人間ができている
のだろう、と感心していたら何のことはない。小沢氏が赤坂の居酒屋や
中華料理屋で手なずけてきた100人以上にのぼる「小沢グループ」の
票目当てなんだとか。
▼情けないのは、これまで「反小沢」を看板にしてきた前原誠司前外相
まで「小沢詣で」の列に加わったことだ。今回の代表選は、有権者が国
会議員のみで、大票田の主である小沢氏の支援なくして当選はおぼつ
かないと計算したのだろうが、逆効果だった。
▼会談はわずか10分で、小沢氏に軽くあしらわれたようだ。田中康夫
氏は、八ツ場(やんば)ダムや尖閣沖の中国船衝突事件などで格好の
いいことを言いながら実践が伴わない前原氏を「口先番長」と名付けた
が、まさにその通り。
▼ほかの候補者も似たり寄ったりだ。自分の出処進退をグループの親
分(しかも一度は引退を口にした人物)に一任するやくざ映画顔負けの
シーンもあって永田町内ではようやく盛り上がってきたが、世間の目は
冷めている。政策論争もまったく聞こえてこない。残念ながら来年の今
ごろ、小欄が「あの何もできなかった菅さんの方がまだマシだった」と書
く確率は極めて高い。