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産経抄 8月26日
中国の2隻の漁業監視船は、沖縄・尖閣諸島沖の日本領海内に、悠々と
侵入し去っていった。船上の電光掲示板には、「魚釣島その他周辺諸島
は中国の固有の領土」とあったという。日本政府が、なんの対抗措置も取
らないと見透かしての暴挙である。
▼このままエスカレートしていったら、どうなるのか。漁業監視船が、近く
の海域に200隻以上も操業しているといわれる中国漁船を引き連れて尖
閣諸島へ向かい、漁民たちが続々と上陸する…。
▼こんな悪夢の光景を思い浮かべていたら、村上龍さんが平成17年に出
した『半島を出よ』(幻冬舎)を読み返したくなった。小説は6年後、つまり
現在の日本が舞台になっている。ただし漁民を装って福岡に上陸するの
は、北朝鮮の特殊部隊だ。まもなく到着した後続部隊とともに、福岡を占
領統治していく。
▼村上さんは、民主党政権が誕生して2年後の日本をこんなふうに描く。
経済の収縮が深刻な不況をもたらし、失業者が激増する。度重なる外交
政策の失敗により国際社会から孤立する日本に、手を差し伸べる国はない。
▼NGOのリーダー出身で、政治経験の少ない首相は、侵略という国家的
危機に対して、場当たり的な対応を繰り返すばかり。さすがに大震災も原発
事故も起こっていないが、その「予言力」には、脱帽するしかない。
▼幸い、小説と同じように沈みゆく現実の日本にも、来春から中学校で使
われる歴史や公民教科書をめぐる、明るいニュースがあった。尖閣諸島に
関して中国の主張に根拠のないことを明記した教科書を採択する動きが、
広がり始めている。国家観がしっかりした若者が増えれば、それだけ領土
問題解決への道も開けていく。