11/06/29 06:10:27.23 jmSjZrnh0
2011.6.29 03:12
前にも書いたが、不世出の横綱・双葉山が「出世」のきっかけをつかんだのは
昭和7年の1月場所だった。場所の直前、相撲協会に不満を持つ力士たちが集団で
脱退する「春秋園事件」が起きた。幕内、十両合わせて50人近い関取の名前が
番付から消えてしまった。
▼協会は空白を埋めるため残留力士をかき集めたつぎはぎ番付をつくり、
場所を強行した。双葉山も、十両からいきなり前頭4枚目に抜擢(ばってき)される。
分不相応だったが、実力が格上の先輩力士にもまれて力をつけ、
大相撲の大看板になっていったのである。
▼一昨日発表された名古屋場所の新番付も、このときに劣らぬ異例なものだった。
八百長問題でやはり数多くの力士が消えた。代わりに5人が十両から幕内に上がり、
幕下から十両へは何と13人が昇進をはたした。「新鮮」といえばそうかもしれない。
▼一方で、5月の技量審査場所で負け越していながら番付が上がる珍現象も起きた。
帳尻合わせをしようとしたためで、好角家からは批判もあろう。一縷(いちる)の望みは
「余禄」にあずかった若手の中から双葉山のような新しいヒーローが生まれることだけだ。
▼だが同じ日に発表された菅直人内閣の人事にはそんな望みも持てない。
若手の細野豪志氏を原発担当相に起用したが、事故から3カ月半もたっての
担当相設置の意味は判然としない。代わりに蓮舫行政刷新担当相を補佐官に
「降格」させるなど、つぎはぎだけが目立つ。
▼その上、野党の自民党議員を「一本釣り」で政務官に起用するなど「禁じ手」も使う。
大相撲よりひどい「その場しのぎ」だ。辺り構わずケンカを売り、
延命しようとしているようにも見える。もはや「殿ご乱心!」である。