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5月22日
2011.5.22 02:54
芥川龍之介が大正8年に出した手紙が見つかった、との記事が、きのうの小紙に載っていた。
宛先は、当時大阪毎日新聞の学芸部長を務めていた詩人の薄田泣菫(すすきだ・きゅうきん)だ。
その泣菫が同じころ、「前大統領の嘘」と題したコラムを書いている。
▼題材にしたのは、米国の第27代大統領を務めたウィリアム・タフトだ。体重140キロを超える
巨漢だったという。ある日田舎町での講演を終え、停車場に急いだところ、
あてにしていた急行列車が止まらない。
▼早速、鉄道管理局宛てに「大きな団体客が待っている」と電報を打つ。
やって来た急行列車の列車長が、団体客を探すと、タフトはすまし顔で言った。
「それはワシだ」。「成程(なるほど)大きな図体(ずうたい)は一寸(ちょっと)した
団体客ほどの重みがありさうに思はれた」と泣菫の筆が冴(さ)える。
▼こんな嘘なら笑って済ませても、国家の緊急事態にかかわる嘘となれば見逃すわけにはいかない。
東京電力福島第1原発1号機で震災翌日の3月12日、東電が海水の注入を始めたところ、
菅直人首相の意向によって、約1時間中断していたことがわかった。
▼政府発表では、海水注入は「首相指示」だったはずだ。それに対して東電側が、
「炉が使い物にならなくなる」と抵抗した、と当初報じられた。きのうの読売新聞によれば、
そもそも海水注入は、「東電が実施を決めた」という。政府発表が嘘で、最近の報道が正しければ、
首相は事故収拾を妨害したことになる。
▼もうひとつ、拡散した放射性物質を予測する、システムをめぐる疑惑も気になる。12日未明に官邸に届いた報告は、
住民避難には活用されず、首相の視察のためだけに使われたのではないか。政府は否定しているが、事実を知りたい。