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中国の偉い人はブラックユーモアのセンスがある。中国共産党結党90周年にあわ
せ、北京と上海を4時間48分で結ぶ中国版新幹線が開業したが、列車の名前は
「和諧号」という。和諧とは日本語で調和という意味だそうな。▼和諧号は、川崎
重工業などからの技術供与をベースに中国メーカーが製造したものだが、中国側は
「独自開発だ」と米国などで特許申請の予備手続きを進めている。どうやら和諧は、
調和ではなく、強欲を意味する雅語なんだろう。▼きれい事をいって強欲ぶりを遺
憾なく発揮する和諧の精神は、中国の専売特許かと思っていたら、日本にもあるあ
る。権力維持に人一倍の強欲さをみせる菅直人首相がご執心の再生エネルギー特措
法案も「和諧」(我欲)の臭いがぷんぷんする。▼確かに太陽光や風力、地熱を利
用した再生エネルギーを飛躍的に増やそうというこの法案は正義であり、魅力的に
みえる。いまだに放射能をまき散らしている東京電力福島第1原発の現状をみるに
つけ、党派を超えて一刻も早く成立させよ、というお調子者が出てきても不思議で
はない。▼野党の中にも早く法案を通して菅首相の花道をつくり、退陣させた方が
いいというおめでたい議員がいるという。しかし、この法案には重大な欠陥がある。
経産相が決める固定価格で再生エネルギーの全量買い取りを義務づけているのだ。
▼簡単にいえば、たとえ高コストであっても電力をつくればつくるほど供給者はが
っぽり儲(もう)かり、つけは料金値上げとなって消費者にまわってくる。もっと
はっきりいえば、価格を決める権力者にとりいった政商に極めて有利な仕組みなの
だ。ペテン師(管直人)と「越後屋」(孫正義)に高笑いさせてはいけない。
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