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4月4日(月)朝日新聞東京版朝刊「声」欄
「警鐘無視した 甘過ぎる想定」 公民館職員 菅原賢明(新潟県糸魚川市 68)
福島第一原発の事故は原発を進めてきた国や電力会社の「想定」がいかに甘かったか
を白日の下にさらした。
2006年10月の衆院内閣委員会で吉井英勝議員(共産)が原発で非常用電源が
失われた場合を想定し、「機器冷却系が働かないと、崩壊熱の除去ができませんから
核燃料棒の焼損の問題が出てくる」と事故を完璧に予見して追及していた(3月26日付
朝刊など)。
吉井氏は昨年5月の経済産業委員会でも電源喪失の問題をただしたが、原子力安全・
保安院の寺坂信昭院長は「そういうことはあり得ないだろうというぐらいまでの安全
設計をしている」と述べ、可能性を否定した。これを読めば、今回の事故が「想定外
だった」という言い訳は絶対に通るまい。原子力安全・保安院の職務怠慢も甚だしいが、
原発の「安全神話」を疑わず、地球温暖化の切り札とうたって推進を後押しした責任は
マスコミも負っている。
少数派の意見は正しくても無視されたり軽視されたりする風潮がある。多数意見や
大きな声に流されて本質を見失ってはならないと改めて自戒する。被災地復興を願い
ながら、事故の教訓を考えたい。