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3月27日(日)朝日新聞東京版朝刊「声」欄
「井上ひさし作品を心の支えに」 大学生 村上涼(東京都新宿区 22)
大学入学後に演劇が好きになり、井上ひさしさんの作品に自然と出会った。
作品に触れるうち、言葉のセンスと鋭いユーモアに魅了された。
井上さんは「吉里吉里人」や「新釈遠野物語」をはじめ、故郷の東北を舞台にした
小説や戯曲を数多く書き、東北をこよなく愛していたことでも知られる。もし
ご存命なら、今回の震災被害にさぞ心を痛めただろう。
井上さんの作品には、世の中の不条理が克明に描かれると同時に、「希望」がある。
日本人の弱さが垣間見えたかと思うと、信じてやまなかった日本人の強さも
描かれていた。それは人形劇「ひょっこりひょうたん島」の歌詞「苦しいことも
あるだろさ 悲しいこともあるだろさ だけどぼくらはくじけない 泣くのは
いやだ 笑っちゃおう 進め」に凝縮されていると思う。
苦難の生活を強いられている東北の人たちに、今は笑う余裕などないかも
しれない。けれどこの先、井上さんの遺志が、被災者の方々の心の支えに
なると信じている。井上さんもそうあってほしいと天国から願っているに
違いない。