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ヤジなし居眠りなし 子ども国会５０万人体験
2010年12月2日13時36分
小中学生が国会審議を疑似体験できる「子ども国会」の参加者が２日午後、５０万人に達する。
国会議員役の子どもたちは真剣そのもので、ヤジも居眠りもなく整然と審議を進め、法律を次々と成立させてきた。
重要法案の多くが成立しないまま３日に会期末を迎える「大人の国会」とは対照的だ。
正式名は「参院特別体験プログラム」で、２００２年度のスタート以来、議長や閣僚、国会議員になりきって学べる。
国会内に設けられた「模擬議場」で委員会審議から本会議採決までを体験。実際の参院本会議場も見学する。
１１月末に参加したのは、東京都内の小学６年生たち。題材には「自動車リサイクル法案」を選んだ。過去に参院で実際に審議された案件だ。
まずは経済産業委員会に臨む。政務三役と委員長、委員に分かれて審議開始。
事務局が用意した台本に沿って進め、１０分ほどで無事可決した。
いよいよ本会議での採決に移る。こちらは台本無しのガチンコだ。
参加者全員が議員として投票権を持つ。採決結果は「賛成１２９、反対８６」。
投票結果がモニター画面に映し出されると、歓声とため息が交錯した。
賛否の理由を尋ねると、
「リサイクルでゴミが減る。地球環境によい」
「不況だからお金はかけられない」。
政局ではなく政策で判断したようだ。
議長役を務めた東京都世田谷区立松丘小の大竹陸斗さん（１１）は「国会のようなヤジがなくてよかった。大人げないもん」と振り返った。
「大人の国会」は衆参のねじれや菅直人首相の求心力低下で混乱が続く。
経産相役を務めた同小、神津周平さん（１１）は
「もっと国のことを考えて、しっかりした政治をしてほしい。僕はよく勉強して、いじめられない総理になりたい」と苦言を呈した。（鈴木拓也）