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蔵王の樹氷40年で消滅? 山形大教授 形成条件から分析
2010年11月19日 14時51分
2050年には蔵王の樹氷が見られない!?―山形大学理学部地球環境学科の柳沢文孝教授(地球化学)が、
蔵王で樹氷ができる標高が温暖化のために過去70年間で約200メートル上昇したという研究結果をまとめた。
今後さらに温暖化が進めば、40年以内に樹氷がすべてなくなる可能性があるという。
10日に開かれた山形気候講演会(山形地方気象台主催)で発表した。
柳沢教授は山形市蔵王温泉の地蔵山(1736メートル)の樹氷から、黄砂や大気汚染など環境の変化を研究している。
今回、1910年代から現在までの写真や新聞記事、文献から樹氷の標高や形成時期の推移を分析した。
現在標高1600メートル付近で見られる樹氷が30年前は同1500メートル、70年前は同1400メートルで見られたことが判明。
樹氷の標高が年々上がっていることがわかった。
さらに樹氷の見頃は現在2月上旬とされるが、1939年12月9日に撮った標高1400メートル付近の写真に樹氷が写っており、柳沢教授は「冬そのものの期間が短くなったのではないか」と指摘した。
樹氷ができる適温は「マイナス10~15度」だが、柳沢教授は山頂の気温は70年間で約3度上昇したと推定。
温暖化が進み、40年後にさらに1度上がれば、樹氷ができる条件の標高が地蔵山頂を超え、樹氷ができなくなるとした。
柳沢教授は「樹氷は地球環境を見るセンサー。40年でなくなるというのは単純な計算だが、山形を代表する観光地にも温暖化の影響が出ていると言える」と話した。(川原千夏子)