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3年前の朝日新聞の社説です。2007年08月24日(金曜日)付
■首相の訪印―価値観外交のすれ違い
首脳会談でインド側は米印協定への支持を求めた。これに対し、
安倍首相は「唯一の被爆国として核不拡散体制への影響を注意
深く検討する」と述べるにとどまり、態度を保留した。
理解しがたい対応である。被爆国の首相がこんなあいまいな態度
を取っていいはずがない。大切な友人であっても、言うべきこと
は言う。核不拡散問題では譲歩できない、と明確に伝える。それ
が日本の役割ではないか。そもそも安倍首相の価値観外交は、中
国包囲という色彩を帯びている。03年度以降、インドは中国に
代わって円借款の最大の受け取り国になった。価値観外交の展開
に伴って、援助額はさらに膨らんだ。しかし、日本にとって中国
が持つ重みは、インドとは比べものにならない。在留邦人でみれ
ば、中国が10万人を上回るのに対し、インドは2000人ほど
だ。相互依存の度合いが全く異なるのだ。中国を牽制するテコに
インドを使うような外交は見透かされる。インドにしても中国と
の交流を深めており、利用されることに甘んじるような国ではない。
価値観を声高に唱えるような一本調子の外交は考え直した方がいい。