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産経抄 10月25日
「議会名誉黄金勲章」といえば、米国で最も権威のある勲章の一つだ。今月はじめ、
この勲章が、第二次大戦中に欧州で戦った、米陸軍の日系人部隊に贈られるとの
ニュースが伝えられた。一体どんな部隊だったのか。
▼タイミングよく、元兵士らに取材したドキュメンタリー映画「442 日系部隊アメリ
カ史上最強の陸軍」(すずきじゅんいち監督)が、間もなく日本で公開される。試写
で見て、大きな衝撃を受けた。
▼1941年の真珠湾攻撃により、ハワイで従軍していた日系兵士は銃を取り上げ
られた。米西海岸に住む日系人は、強制収容所に入れられる。そんな不当な扱い
に抗し、「敵国人」の汚名をそそぐために志願した日系人らによって結成されたのが
「442連隊」だ。
▼フランスの町ブリエラの解放、全滅寸前だったテキサス大隊の救出、ドイツ国内
でのユダヤ人収容所の解放…。彼らの戦績はめざましかったが、戦傷者もけた外
れに多かった。米社会に、日本の美徳である勇気、名誉、愛国心を見せつけた代
わりに、流された血だった。
▼現在80代半ばから90代の元兵士のなかには、戦場の悲劇を語ってもわかって
もらえない、とこれまで親族にも沈黙を守ってきた人も少なくない。「自分はヒーロー
なんかではない。勲章をもらったのは死んだ戦友のためだ」。その言葉は重い。多
くの日本人、特に反日デモ参加について聞かれて、「国益にかなう」と開き直った
国家公安委員長には、ぜひ見てもらいたい映画だ。
▼東条英機首相が日米開戦前、日系社会に対して、米国に忠誠を尽くして当然、
との内容の手紙を送っていた事実も初めて知った。日本人とは何か、あらためて考
えさせられる。