産経抄ファンクラブ第141集 at MASS
産経抄ファンクラブ第141集 - 暇つぶし2ch841:文責・名無しさん
10/10/23 06:18:46 G62d+Y920
産経抄                                      10月23日
勝負ごとの世界では、心血を注いで競い合ったライバルでも引退したり年を経れば、
仲が良くなるということが多い。私見ながら、野球の長嶋茂雄氏と王貞治氏、相撲
の栃錦関と若乃花関などそう見えた。囲碁や将棋の世界にも多いようだ。
▼だが、坂田栄男さんと藤沢秀行さんの場合だけは違った。ともに第一線を離れた
後も「和解」などしようとはしなかった。互いに「自分の方が強い」とがんばっていた
らしく、囲碁の新聞が正月用紙面で対談を企画しても実現しなかったという。
▼2人の好敵手意識が最も燃えたのは、昭和38年の名人戦七番勝負だった。藤
沢名人に5歳年上の坂田さんが挑戦し、最初の2番を連勝した。坂田さんが「鎧袖
(がいしゅう)一触。もう4連勝だ。まるで芸が違う」と胸をはれば、藤沢さんも「これ
で五分の勝負になった」と応酬する。
▼結局は坂田さんが4-3で名人位を奪取するが、ピリピリした関係は終生続く。
性格的にも藤沢さんが開けっぴろげで、酒や賭け事、何でもござれだったのに対し、
坂田さんは「カミソリ」の異名のごとく「寄らば切るぞ」の孤高を漂わせていた。
▼棋風も好対照だったといい、これほどライバルの条件を備えた組み合わせはな
かった。しかしこの2人の対決が昭和後期の囲碁界をもり立てたことは間違いない。
勝負の世界から政治までどこか「なれ合い」が気になる今、新鮮でさわやかにさえ
思い起こされる。
▼その坂田さんが昨年5月の藤沢さんを追いかけるように逝った。本紙主催「十段
戦」の解説をされたとき、抄子が予想した「次の一手」に相好(そうごう)を崩し「そ
れはないでしょう」と、大笑いされた。個人的に一度だけの「カミソリ坂田」との思い
出だ。


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