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金縛り労組、民主苦杯・・・衆院補選 2010年10月25日
「政治とカネ」響く
北海道教職員組合(北教組)の違法献金事件などが引き金となった衆院北海道5区補欠選挙は、自民党の
町村信孝氏(66)が勝利した。今回の補選の焦点は「政治とカネ」。民主党は、自らが招いた失点を克服で
きず、“集票マシン”である労働組合の動きにも精彩を欠いた。中でも、違法献金事件で団体として有罪判決
を受けた北教組は、選挙戦で表立って動くことができなかった。
「町村氏当確」。24日夜、投票締め切り直後に流れた一報に、民主党の中前茂之氏(38)の選対本部長、荒
井聰・前国家戦略相(64)は「政治とカネの問題は、今回の補欠選の発火点だった。ハンディキャップがあっ
た上で戦っており、影響はあった」と硬い表情を浮かべた。
高い組織力を誇る北教組は従来、地盤を持たない民主党候補に選対幹部を送り込み、選挙を仕切ってきた。
今回、民主党北海道は態勢を見直し、選対幹部に道議を充てたが、北教組は機関誌で「中前茂之さんを組
織推薦」と写真付きで紹介し、従前通り、各支部に「支持者カード」集めなども指示。組合員やOBは、連合や
民主党の事務所での電話かけにも加わった。
ただ、町村陣営が北教組批判を執拗(しつよう)に展開。北教組内部には「表立って運動すれば、候補者のイ
メージを傷つける」「動くだけ、票を失う」とのジレンマも広がった。ある北教組幹部は「有権者に好感を持って
もらえる運動をしようと随分、神経を使った」と打ち明けた。
北海道教育委員会が事件後、教職員らの服務規律調査を実施し、政治的行為を監視する通報制度を導入
したことも、「萎縮(いしゅく)ムードに拍車を掛けた」(北教組関係者)。下手に動けば、また摘発されるとの警
戒感から、地方支部の中にも、支持者カード集めの指示を組合員に下ろさない、退職者に依頼した電話か
けを「危険だ」と中止する―などの動きが出た。
連合北海道は18日、会長名で、北教組などに組織固めと支持拡大の徹底を呼び掛けたが、劣勢を挽回(ば
んかい)できなかった。北教組関係者の一人は「選挙戦でここまで動けなかったのは初めて」と異例ずくめだ
った選挙戦を振り返った。
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