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【産経抄】9月26日
平成生まれのみなさんへ。
長かったいくさが終わって、中国がぼくたちの「ともだち」だった時期がほんのひとときあったんです。
つきあい始めたころには、白黒の珍獣を友情の印に贈ってくれ、上野動物園には長蛇の列ができました。
▼こんな愛くるしい動物のいる国はきっと、やさしい人たちが住んでいるんだろうな、とぼくたちは信じました。
もちろん、いくさで死んだ兵隊さんを祭った神社に偉い人が参っても文句ひとついいませんでした。
▼しばらくして、「ともだち」は、神社へのお参りに難癖をつけ、
ぼくたちが持っている島を「オレのものだ」と言い出しました。
びっくりしましたが、トウ小平というおじさんが
「次の世代は我々よりもっと知恵があるだろう」と言ってくれました。
▼でも小平おじさんは、本当は怖い人だったんです。
「自由が欲しい」と広場に座り込んでいた若者たちが目障りになり、
兵隊さんに鉄砲を撃たせ、多くの人を殺してしまいました。
みんなはびっくりして「こんな野蛮人とはつきあえない」と村八分にしました。
▼それでもぼくたちは、みんなに「こいつは本当はいい奴(やつ)なんだよ」と口をきいてあげ、
貧しかった彼には、いっぱいお金をあげたり、貸してあげたりしました。
おかげで「ともだち」は、みるみるお金持ちになりました。
▼そのお金で「ともだち」は軍艦や戦闘機をいっぱい買い、
今度はもっと大きな声で「この島はオレのものだ」と叫びました。
「次の世代の知恵」とは、腕ずくで島を奪うことだったんです。
パンダにだまされたぼくたちは浅はかでした。
「次の世代」のみなさんは、もっともっと力をつけて真の友人をつくってください。お願いします。
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