11/08/09 01:08:12.24 EYI/LRHu
「終わる世界のアルバム」
初ハードカバー作品。人間が唐突に消滅し、その人間に関するあらゆる痕跡も記憶もまた消える、という現象が頻発し、
静かに終わっていこうとしている世界を舞台にした恋物語。主人公だけは、写真に撮った人間を忘れないでいられる。
そんな彼のクラスにある日、いなかったはずの少女がいることに気づき、ぎこちない交流が始まる。
ヘタレ+ツンデレ+幼なじみというキャラ配置はほとんど「さよならピアノソナタ」そのままの安心杉井クォリティ。
一般向けのためか掛け合いは控えめ。ひたすら淡々と静かに日常描写が続く。
切なさ特化型で、音楽ネタも豊富。杉井の入門に最適の一冊となっている。
【シリアス】-◆---+-----【コメディ】
「花咲けるエリアルフォース」
杉井自らが「これまで書いた中で最も危険な物語」と語る、戦場のボーイ・ミーツ・ガール。
東西に分断された日本らしき国の内戦もの。実在の地名がいくつも登場し、最も重要な舞台はなんと靖国神社。
桜子という名前のヒロイン、靖国で時間停止した桜の樹、それを動力源にした桜花という超兵器など、
全編にわたって「散りゆく桜」のもの悲しさでトーンが統一されている。でもヘタレとツンデレはしっかり登場。
バイセクシャルな先輩やスキンシップ豊富な巫女などサービスシーンも旺盛、意外にギャグも多め。
例によって一冊できっちり話はまとまっているが、続刊も見える設定で、今後は不明。
【シリアス】---◆-+-----【コメディ】