11/08/09 01:04:45.89 EYI/LRHu
○既刊シリーズ紹介○
「火目の巫女」
杉井デビュー作。平安時代の日本とよく似た世界を舞台にした伝奇ファンタジー。
国を脅かす無数の化生、その化生を倒せる力を持つ唯一の存在”火目”
それらを巡る巫女たちの愛憎劇。容赦のない追い詰められる展開が売り。
このデビュー作により、杉井はまず「鬱作家」として認識される。
澄んだ空気の文章力はこの頃からすでに発揮されている。
残念ながら3巻でストップ、一応区切りはいいが数々の伏線が放置されている。
【シリアス】-◆---+-----【コメディ】
「神様のメモ帳」
代表作の青春ミステリ。内にこもりがちのおとなしい男子高校生である主人公が、クラスメイトの女の子のつてで、
「ニート探偵」を名乗るひきこもりのロリ美少女と、その周囲の超個性派ニートたちと出逢う。
その設定と序盤のニートたちの馬鹿なかけあいから、駄目人間コメディだと思われることが多いが、
中盤の急展開以降一気にシリアスさを増し、成長痛を真摯に描く青春小説になる。
2巻以降はキャラ立てをしっかり済ませた脇役たちにより、明暗のバランスがとれている。
いわゆる「杉井主人公」がはじめて登場した作品でもあり、様々な面で杉井作品群の中心に位置するシリーズである。
【シリアス】----◆+-----【コメディ】
「さよならピアノソナタ」
音楽青春恋愛小説。代表作。完結済み作品。
主人公はCDを聞くだけが趣味の男子高校生。ヒロインはとある理由でピアノを弾かなくなったピアニスト。
なんのてらいもない、清々しいほどのボーイ・ミーツ・ガールだが、全編にわたって「音楽」が
テーマとなっていることが大きな特徴。しかし音楽の知識はなくても雰囲気が伝わる秀逸な描写が多い。
ヘタレ鈍感男を中心に、ツンデレと幼なじみとセクシーな先輩が全員惚れるハーレムものなのだが、
読後感はどこまでもさわやか。杉井初心者に最もすすめやすい作品。
【シリアス】-----◆-----【コメディ】