つまらない小説を無理矢理褒めちぎるスレ14at MAGAZIN
つまらない小説を無理矢理褒めちぎるスレ14 - 暇つぶし2ch690:イラストに騙された名無しさん
11/10/14 06:11:52.96 VurwY5wA
746 名前:イラストに騙された名無しさん[sage] 投稿日:2011/03/12(土) 00:46:42.03 ID:dP/00ir7
這いよれ!ニャル子さん(GA文庫) 著:逢空万太   画:狐印

私がこの本を見出したのは、ある書店に立ち寄った時であった。
その書店は明るく、清潔で、置かれる本の背表紙はいずれも極彩色で眩いばかりだというのに、
店内の空気はどこか澱んでおり、かすかに酸味のある臭気が漂っていたことを覚えている。
書棚と書棚の間には、厭らしく肥え太り、おぞましい笑みを浮かべた者どもが点在しており、
それらは皆一様に黒みがかった、ともすれば地中に蠢く鞘翅類にも似た色の装束を纏い、
背には欲望で満たされているに相違ないと思われる背嚢をぶら下げていた。
黒き者どもの隙間をすり抜けようとした時、私はこの店の空気と臭気の原因を知ると共に、
鼻奥に突き刺さらんばかりの臭いと異様な雰囲気に圧され、書棚の方へと顔を背けた。
その瞬間、私の眼球は書棚の一点に縫い付けられたように動かなくなった。
題字にはかの狂えるハワード・ラヴクラフトが記した暗黒の神話を思い起こさせる語句が躍り、
表紙に画かれた人ならざるものの姿を見たとき、私の頭の中で豚の嘶きが聴こえたように思われた。
私は何か人知の及ばぬ巨大なものに惹き寄せられるようにしてその書を手に取り、棲家へ取って返した。

気付けば私は狂ったようにキーボードを叩き続けている。
かの書を開いて後、私の脳の内で渦巻く、この名状し難き感覚を文字に変えて吐き出すことで、何かが浄化されていくような気持ちになるのだ。
あの本は捨ててしまった。あれを開いて、再びその内を覗き見ることは在り得ず、全ては忘却によって救われるはずだ。
いや、そんな! これは何だ! 棚に! 棚に!

これか、これはいいものであったな


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