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織田信奈の野望
著/春日みかげ 絵/みやま零
これは私が、友人と戦記もののラノベを交換しようという話で借り受けた1冊である。
主人公はごく平凡な高校生で、戦国武将が女ばかりというパラレル戦国時代にタイムスリップした
という恋姫のパク……失敬、そういう目を見張るような斬新な設定からはじまる
この作品において突出しているのは「とにかく勢い重視である」ということだろう。
この勢いを保つためならば、必要なものであっても容赦なく切り捨てるという
作者の決意が行間からにじみ出ている。
たとえば主人公、前述したように現代日本から異世界へ行くわけだが、
現代日本でのことをろくすっぽ思いださない。過去を顧みず、ただただ前を向いて突っ走るのだ
異世界にきた経緯もあまり語られない。
あのゼロ魔でさえ最低限の説明はしていたのにそれをすらしのぐ説明のなさである。
しかも現代の知識を応用しての、ご都合主義というのもはばかられるチート活躍ぶりを見せてくれる。
他のキャラもテンプレで、文章は台詞ばかり。情景描写などないといっていい。
しかし、そのことで駄目だと批判してはいけない。
繰り返すが、作者は勢いだけで一気に突っ走るために、それらを切り捨てたのだ。
ご都合主義は話をとんとん拍子で進めて爽快感を演出しつつ勢いを保つため。
テンプレキャラもすぐに読者に理解させることで説明を省き、勢いを保つため。