11/06/23 09:48:36.61 5Qr+BaJY
なんか俺のレスで良くわからん論争が起こってしまったようでスマン
このスレの趣旨とはかけ離れたものをわざわざ転載する意味が不明だったのでつい
謝罪ついでにちぎってみる
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オブザデッド・マニアックス(ガガガ文庫 大樹連司・著)
誰もが想像したことがあるであろうシチュエーション。
「学校にゾンビ(あるいはテロリスト)が現れ、混乱の渦に巻き込まれる中、
自分は颯爽と危機に立ち向かい、ヒロインとの絆を深める」というベタな内容。
それを文章にしたのがこの作品である。
作中に挿入される数々のゾンビ映画の紹介内容を見るに、作者のゾンビ映画への
深い造詣と愛情を感じ取ることが出来るだろう。
人間味溢れたキャラクターたちもまた本作の魅力の一つだ。
非常事態においては尊厳や矜持などを守ることがいかに困難であるかを的確に
描くと同時に、安易に楽な方に流れてはいけないという警鐘をも含んでいる。
黒幕の設定も取ってつけた……ではなく安定したパニックホラーの原則に則った
納得のいく展開だった。
しかしそれらに触れられるのは最後の方の僅か数行。
これはパニック状態における少年少女の混乱と葛藤、さらには極限の中で育まれる
信頼関係や愛情などに重きを置いた作風に見事合致していると言わざるを得ない。
決して場当たり的に適当な設定を作ったなどと考えてはいけない。
本書を手に取った人はゾンビの恐怖からみんなを守るために創り上げた王国の
繁栄と崩壊というドラマチックな展開に心奪われ、涙すること必須だろう。