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この部室は帰宅しない部が占拠しました。(おかざき登/MF文庫J)
世にいう学園ものというジャンルの作品の中には部活ものという内部ジャンルがある。
文字通り主人公らが所属する部活動を全面に押し出した作品ということになる
ただし運動部の場合スポーツもの、格闘ものという別な観点の各種目に位置付けられるので
大抵の場合はいわゆる文化部を差すことが多いようだ。
ただこのジャンルは一筋縄ではいかない。音楽部系や美術部、文芸部など既存の部活を扱うのと
主人公らが、独創性溢れる「やりたいこと」を見いだし新しい部を立ち上げるの二通りがあるが
活動内容を生かしきれないとメインキャラ達を群れさせるための単なる方便にしかならないのだ。
無論、部活動そのものより部員の日常に軸足をおいた作品でも良作や人気作は生まれているので
どちらが正しい手法か、という話ではないのだが、ハナから方便でしかない例が目立つのも事実だ。
ことライトノベル作品においては、顧問をふくめて主人公以外の関係者を全員女性で固めた、
学園ハーレムものをやりやすくするため設定上の建前として創作されたとしか思えない部も多い。
(無論、これは生徒会・委員会においても、時には学級はおろか学校そのものでさえも
適応できる作劇場の類型であることは指摘しておかねばならないだろうが)
本作は、そんな中で画期的である。作中の設定においてさえ方便にすぎない新部創設を描いたのだ。