11/03/18 18:14:23.07 ZVoFW1/q
埋まったままDE宇宙戦争
古代の宇宙で繰り広げられた三つの星間規模の勢力による戦争に際して地球に不時着した艦艇
スケール大きい設定と民間伝承に変化して伝わる史実という擬似的な超古代文明ものの趣
血筋(遺伝情報)によってロストテクノロジーが反応する、残されたアンドロイドの孤独感
由緒ある宗教的家系の誇り、あるいは友達以上恋人未満などのキャラクター面
あらゆる素材を殺しきっているという印象。原因は色々詰め込みすぎゆえ底の浅さもあるが、
やはりあとがきにあるように読者層を軽んじたか本格SF描くのを最初から捨てたのが大きい。
結果ライトSFやスペースオペラともかけ離れた、SFっぽいけど体をなさない稚拙で単調な何かに。
例えば『宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』では(相対)未来人たちは「宇宙船」や「宇宙戦艦」といった
語彙を用いず単に「船」「戦艦」と呼ぶなど、宇宙進出した人類の価値観を構築したが、
本作にはそれはなく、オペレーターのアンドロイドは普通に「宇宙船」と言う(地球人向けかもしれないが)。
しかも「宇宙戦艦」等の表現を陳腐だと思ったのか「戦闘用の宇宙船」なるそれこそ子供だましの呼称が頻出。
大体1000年前に(日本に)飛来した宇宙船の一隻を受け継ぐ家の表の顔が教会の牧師ってどうなのよ?
一応元隠れキリシタンの家系らしいことは示唆されてるけどそれでも500年はずれる。
あと文章の構成というか設定の説明も下手。
主人公が変わったあだ名で呼ばれているなら初出時に由来をあかすものではないのか?
舞台となる村には独自のかぐや姫伝説が残るという設定があり、話の根幹に繋がるものに思えるが
その伝承の内容が本文中で紹介されることはついぞ無い。というか、なら村の沿革説明は蛇足だ。
というかこの作者は続編書く気まんまんに見えるんですけど。
どう考えてもお寺の地下には第三勢力の「戦争用の宇宙船」があるよね?