11/03/04 16:57:22.61 Auq8EAk1
比較して批評の例として、文章力で定評のある秋山瑞人と支倉凍砂で「笑う」という
言葉の使い方を調べてみた。
・EGC 1巻冒頭 p25~p46 ルノアとブルース・ジュリアン・ベイカー航空中尉との会話シーンより
「ふいにバカにするように口をゆがめ、メモ帳をポケットにしまって、失笑にも似た息を漏らした」 「頭をがりがりとかき、うひひひひひと笑った」
「その顔に、ゆっくりと笑みが広がっていった」 「ジジイも笑って」 「くすぐったそうに笑う」
「大きく破顔した。熊のごとき面は、そうしてみると思いのほか、いい顔で笑うことができるようだった」 「スケベなヒヒのように笑った」
「笑った。強く、柔らかく笑った」 「にやりと笑って」
・『狼と香辛料』 1巻冒頭 p31~p63 主人公とヒロインの出会い 会話シーンより
「あごを引いて薄く笑いながら」 「きょとんとした後、突然笑い出したのだった」 「干し肉を落とすくらいに大口を開けて笑う」
「以前クスクスと笑いながら」 「にこりと笑った」 「一瞬困ったような顔をしてから、そこに笑顔を追加した」 「笑いながら言ってから」
「笑いながら言ってから」 「不覚ながら少し笑ってしまったが」 「にこりと笑いながら」 「苦笑いをする」 「少し楽しそうにそう言った」
「笑いながら」 「にやにやと笑っていたのだった」 「うっすらと微笑みながらの」 「いたずらっぽい笑みを浮かべながらだ」 「苦笑しながら」
支倉凍砂もいまどきのラノベの中では文章はマシなほうだと思うが、それでも
秋山の方が、表現に幅を感じるね。描写できる笑顔のバリエーションの多いといううか。
狼と香辛料読んでて気になったのが、主人公とヒロインの会話で笑顔のシーンが目に付
きすぎるんだよね。笑う回数自体が多いのもあるんだが、同じような描写を繰り返して
るのにも原因があるんではと思って(上の例で言えば「にこりと笑った」「にこりと笑
いながら」の重複など)。
秋山に比べると相当劣るといって間違いないと思う。