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シー・マスト・ダイ
作者自身中学の時「いつもそんなことばかり考えていました」と語り、また主人公も「何回したかわからない」という
「もしテロリストが授業中の教室を襲ってきたら」というヒマな中学生の妄想をそのまま形にしたような話…
ただしそれは導入部のみで、テロリストの正体は「大量殺戮を引き起こす超能力者(候補)」暗殺を目論む自衛隊だったり
主人公らが見張りの隊員を制圧した後はボス格の不良少年が極めて利己的に暴走して結果クラスの大半を虐殺したり
(表向きの)事件解決後に、超能力を持たないながらも知恵と勇気でいかにも主人公らしい言動をとってきた主人公の
ラプラスの悪魔的な絶対者という本性(一種の多重人格なので表の彼に自覚無い)と、それゆえに潜在的な敵対者を抱えながらも
それらすら森羅万象すべてに干渉できるがため上手く手玉にとり自らの利益(及び表の人格の幸福)の為に利用する
いわば自衛隊にとっての「標的」そのものでありながら、壮大な自作自演を仕掛けていた全ての黒幕でもある…と
二重三重にどんでん返しが用意されているのでそのあたりは展開の妙かもしれないが、それでも退屈な印象があった
というのは、結局のところ「ぼくがかんがえたがっこうてろじけん」「ぼくがかんがえたきんみらいのちょうのうりょくしゃかい」
「ぼくがかんがえたさいきょうのちょうのうりょくしゃ」といった、アイディアやその解説に終始している感が否めないのだ
確かに超能力者が実在する社会を描くのに、検査法や社会の対応、世間の認識、軍事ふくむ技術面での活用など
設定面を紹介するための記述は必要だろうし、それに終盤明かされる主人公の正体は複雑かつ難解な存在なので
ある程度その解説にページを割くことはやむを得ない面もある(一気に説明するほかにも書き方はあったと思うが)、
しかしそれだけではなく、作者が自分の構想やセンスを作中で展開させなくては気が済まないタチだという気がする
でなければ校舎の構造まで細かく説明入れたり、巻頭にわざわざ理科室の見取図載せたりと、特に必要性のない情報まで
いちいち提示したりはしないはず…つまらないのは厨すぎる設定ではなく描写の技法が恐ろしく下手だからだろう