11/01/30 20:07:34 GaFP4tTt
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別れないか。
と、冬月が言った。ちょうどDVDのアニメ、涼宮ハルヒの憂鬱の第三話が終わって、
エンディング曲、ハレ晴レユカイが流れているところだった。純子は振り向き、肩ごしに冬月を眺めた。
ベランダの窓からレースのカーテンごしに、10月の夕焼けの日差しが細かい粒子のように
降り注いでいる。ちょうど逆光になっていて、冬月の表情がうまく読めず、純子は少し目を細めた。
「今、何て言ったの?」
「だから、俺たち、別れないか」
ハレ晴レユカイの演奏が終わり、液晶のテレビ画面には、涼宮ハルヒの憂鬱の第二巻のメニュー画面が
表示されている。
唐突な言葉というのは、人の思考を停止させるものらしい。純子はしばらくそのままの姿勢で冬月を
見続けた。冬月は純子の視線から逃れるようにソファに置いてある煙草に手を伸ばし、煙草に火をつける
仕草をしたが、純子が煙草の煙を嫌っていることを思い出し、コーヒーカップに手を伸ばした。
「本気で言ってるの?」
けれどもコーヒーカップにはもうコーヒーは残ってない。
「ああ」
困惑したように唇を少し紡ぎ、冬月はカップを戻した。
「どうして?」
「理由か」
「そう、理由を聞かせて」
「何て言うか‥‥‥」
冬月が言葉を濁らせた。
「違うと思うんだ」
「違うって、何が?」
ふぅ。
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