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122 名前: 冬眠中(京都府)[] 投稿日:2010/12/07(火) 01:56:37.13 ID:Ngqpb0tn0
涼宮ハルヒの憂鬱
娯楽作品として素直に読み通せました。
楽しかったです。
批判している方には、キャラに感情移入できない…とか、作者の国語力が…とか、
賞を受賞した作品のわりには…とか、いろいろと主張があるようですね。
生理的に受け付けない人はやむを得ないにしても、正当な文学作品として評価す
るというのはどうなんでしょう?
まるで、「インスタントラーメンの中では『ラ王』がうまい」と伝え聞いた美食家かぶれ
の人が、「こんなもの、スープはコクがないし、メンにはコシがない。器も…」と、本物の
ラーメンと同じ視線で酷評しているようです。
私もいい年ですので、気持ちが全くわからないわけではないですが、批評をするの
であれば、ある程度自分から歩み寄る姿勢を持つべきではないか? と、思います。
作品自体は多くの方が好評価しているように、ライトノベルとしての設定、テンポ、構
成、完成度、続編以降に続く世界観の広がりなど、実によくできています。
(ライトノベルの)SFやファンタジーの場合、文字量の関係で怒涛のごとく流し込まれ
る世界観を消化するだけで労力を消費してしまい、完読前に力尽きてしまうことがありま
すが、「ハルヒ」は日常の舞台がごく普通の学園生活であり、主人公キョンの「疑いを持
った視点」で物語が進んでいるのがミソです。
この視線は、リアルタイムの学生より、すでに何事も起こらなかった学生時代を経験済
みの読者の方が実はシンクロしやすいのではないでしょうか?
そういう世代には、ハルヒの「エキセントリックな行動」や現実にはありえない展開がよ
り光って見え、物語に吸い込まれていくはずです。
実際、キャラ「萌え」や、メディアミックスによる販促戦略だけでは、ブームにまでは発
展しません。あらゆる視点から考えても、やはり、芯となる原作のポテンシャルが高かっ
たことがヒットの要因であるはず。そのあたりを意識して、ぜひ、読んでもらいたいです。