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川原礫『ソードアート・オンライン』
ゲームの世界に入りたい
少しでもそういった娯楽に興味のある者なら一度は思ったことがあるだろう
皆、その妄想を文章または漫画に描き、またはそれを読みその欲求を満たしてきた。
よく言えば王道、悪く言えば陳腐な設定である。
この話では、主人公たち一万人がゲームの世界に閉じ込められた。
このゲームをしている間、現実世界ではいわば植物人間の状態であるらしい。
既に二年間も閉じ込められ、抜け出すにはゲームをクリアするより他にないらしい。
二年間もの長きに渡ってゲームの世界に閉じ込められた植物人間の世話をする家族の苦労を思うと落涙を禁じ得ない。
ただ点滴で栄養を与えればいいというわけでなく、糞尿を垂れ流し、いつ目覚めるとも分からぬ人間を世話する間、本人はゲームで宜しくやっている時、家族はいったい何を思うだろうか。
一万人ともなると、中には子供のいる親もプレイヤーになっているのだろう。
二年間も会社をゲームをプレイするために休み、家族には逆に負担をかけることになる。
きっと運良く目覚めても、待っているのは自分の席のなくなった会社に離婚届に借金だろう。
既に四千人近くがなくなっているとのことだが、中にはリアルの体が栄養失調で亡くなった人も多いのではなかろうか。
植物人間の放置問題が社会現象にでもなりそうである。
しかし、そのようなことは問題ではない。
この物語はイケメン主人公と美少女の活躍が主題である。
きっとそのようなモブは使い捨てられる運命にあるのだろう。
美少女ヒロインが主人公に会ったとき、主人公は原っぱで昼寝をしていた。
何とも呑気な主人公である。誘拐されて(ゲーム世界に)看護を受けている(現実世界で)という自覚はあるのだろうか。