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冒頭から読み手に次々と襲い掛かる造語、造語、造語のオンパレード…。
その量は、主人公の前に立ちはだかる試練の比ではない。
読み手は主人公の冒険そっちのけで、ページを遡り、あるいは読み進め、
造語の意味を調べたり、あるいは作者の頭の中にしかない解答を推測していく必要がある。
また、次々に登場する敵か味方か分からない謎の人物・役職たちは
基本情報が本文中から抜け落ちているため、
冒頭の登場人物紹介を照らし合わせながら謎に挑まなければならず、
一種のゲームブック的な楽しみ方を可能にした。
その緻密に張りめぐらされた高度な謎の数々を乗り越え、
内乱の黒幕の正体を知った時、読み手の誰もが思うのだ。
こいつ誰? と。
そのくらい、読み終わる頃にはストーリーや事件等の本筋はどうでも良くなっている事請け合いである。
造語に萌えられれる稀有な属性持ちの方と、
主人公に代わる探偵役として新しい種類の推理小説に挑戦したい猛者に、是非ともお薦めしたい。