10/11/05 13:45:44 iiD4g4bz
『太陽のあくび』 メディアワークス文庫 有間カオル
初めてこの本を手に取ろうとする人は、まず表紙絵に引くだろう。
別に恥ずかしくない。
が、壊滅的にダサいのだ。フォトショで15分で作れるレベル。
安っぽいオレンジの輪切りのクリップアートが並んだ表紙に、
「こんな自費出版めいたのを買っていいんだろうか」
と不安になること間違いなし。
だが、内容はそこら辺のオサレな表紙のスカしたやつよりずっと濃密。
何せ、少年少女の青春劇と同時に、通販業界の裏側まで学べるのだから。
といっても、そんなにお堅い本ではない。
愛知県のとある小村で出来た新種のミカンを高校生が売ろうとするパートが主軸であり、
そのミカンを高く買う都会の落ちこぼれバイヤーの話はあまり深くは突っ込まない。
ものを売ることを知らない高校生と、いつもライバルに後塵を拝す落ちこぼれバイヤー。
この2つが合わさってトラブルが起きない訳がない。
主役の少年は販売会議で新種のミカンの名前を「レモミカン」にするかしないか議論した挙句他の仲間との仲が険悪になるし、
予期せぬ発注トラブルなんかもどんどん起きる。
こんな状況から一発逆転できるのだろうか? と読んでるこちらもハラハラしてくる。
特に唸らされたのは、終盤の爽快感溢れる展開だ。よく考えてみるとAKB商法を予見していて、ちょっとだけ時代を先取りした印象を与えられた。