10/08/01 16:10:36 imnk9P+Q
ヘヴィーオブジェクト驚異の装甲
本体だけで五十メートル以上のオブジェクトだが、まさか馬鹿デカい型枠に溶けた鉄をその
まま流し込んで作るのではない。わずかに湾曲した畳ほどの鋼板を用意して、それを何十、何
百、何千、何万枚と重ねていって、巨大な球体を作り出している。
薄い板を何重にも重ねるのは、分厚い壁の防御力よりも、衝撃の分散や拡散に重きをおい
たものだった。理論としては単純な防弾ベストにも似ているが、あまりにも多くの鋼板を使っ
ているおかげで、核攻撃の衝撃すら押さえつける事に成功している。
「たまねぎ装甲でしたっけ? ただ頑丈なだけじゃなくて、敵軍オブジェクトから被弾した時
に簡単に交換できる事まで考えてるんだからすごいですよね。最初に考えたヤツはノーベル賞
をもらっても良いと思う」
「簡単とは言っても、装甲の最小単位である一枚一枚だって、日本刀のように職人が手間をか
けて鍛え上げた特注品じゃがね」
「熱した鋼に高耐火反応剤の粉末をミリグラム単位で混ぜながら打っていくんでしたっけ。あ
れは強度は高くなるけど再利用が難しいとかって話でしたよね」
「職人の指先あっての業じゃな。下手な機械に任すと配分を誤り、逆にパキパキと割れやすく
なってしまうからの」
ヘヴィーオブジェクト驚異の動力炉
「オブジェクトに積まれてる動力炉の出力知ってるか?」
「並の原子力空母でも電力不足になるぐらいの砲を、100門以上同時に撃っても有り余るほ
どのエネルギーを生み出すんだぞ。精密機械でも追い着かない腕を持つ職人が300人ぐらい
集まって、全部手作業で作ってる、人類の技術の結晶なんだ」