11/05/03 19:46:43.82
寺子屋 ランボー法師 延命術 弐
やがて祖母の遺体は帰宅しました。
そのとき憂いていましたら、大日如来がおりられて「そなた、何を憂いているのだ」
「実は、母方の実家は、私どもの宗派ではなく、私が引導することが出来ないのです。」
「そなたが引導しなくては、あの寺の住職では成仏させることができない。その僧侶が来るまえに、
いつもの供物を用意し末期の水と枕経をあげなさい。そして通夜の晩に、通夜と告別式のお参り
をするとよいでしょう。」
と言れました。
早速妻に枕経の供物を準備するよう指示、十三仏お掛け軸と法具・法衣をとりに戻りました。
祖母の家に戻って来たら、妻が目に涙を浮かべているのです。
事情を問いただしたところ、二人の伯母に「何も供物をあげなくてもいい宗派だから、あげる
ことない。」ときびしく叱られた、と言うのです。
孫の嫁が、お婆ちゃんに心を込めて作ったものを、まして如来様のお指図どおりしているものを
と、激しく憤りを感じました。
絶対許せない!他にも大勢人が居たので、やっとの思いでこらえ、私の手で供物をあげ、
枕経のお勤めをしました。
祖母は死に水を取るとき、ぐずぐずしていた娘達(叔母達)の座布団を激しく揺すって心を伝た
のでした。如来様の言われたとおり通夜の夜、私の宗派の戒名をつけて無事引導も終わり、
葬式の全てがおわりました。