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初動対応講習会：柏市消防局で 茨城・取手駅刺傷事件を教訓に ／千葉
茨城県取手市のＪＲ取手駅バス乗客無差別刺傷事件を受けて、柏市消防局は１５日、実際に事件で
出動した救急隊長の経験を聞く初動対応講習会を開いた。救急隊員が現場で襲われることを想定した
護身術の訓練もあった。
この事件で殺人未遂容疑で逮捕された容疑者が「ＪＲ柏駅で実行しようと思ったが、人通りが多くて
できなかった」と供述したとされる。これを受けて柏市が取手市消防本部に講師役を依頼し、実現した。
講習には柏、松戸、我孫子、流山、野田５市の消防隊員約８０人が参加した。
取手市消防本部の岡田直紀救急隊長（４３）は昨年１２月１７日朝、「１６歳女子高生が何者かに刺
されて血だらけ」という通報で同僚らと出動。５分後に到着するとけが人は１３人に増えていて「重傷
者はいないか。冷静に状況を把握して、応援を呼ぼう」と自分に言い聞かせたという。
岡田隊長は、反省点として、通り魔事件を想定せず、救急車内に常備する防刃ベストを着けずに現場
に入った▽最初の通報と現場の状況がかけ離れていたので、指令課は２番目の通報者からも詳しく聞くべ
きだった▽現地の指揮本部に情報が集まらず、同じ病院に２回連絡を入れてしまった－－などを列挙。参
加者は「大量傷病者のマニュアルは？」「事件後、具体的に改善したことは？」などと熱心に質問していた。
これに先立ち、県警逮捕術師範の高橋博さんが護身術を指導し、「刃物を奪おうと思うな。顔に向かって
何か投げると本能的に両手で防御し、隙ができる。その場にある物を使うとよい」と助言した。柏市消防局
富勢分署の佐藤昇平救急隊員（３０）は「暴れる酔っ払いの救護で危険を感じたことがある。勉強になった」と
話した。【早川健人】
毎日新聞
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