10/12/25 14:33:22
今回の鶏卵の急騰は、農林水産省が10年度から導入した、需給安定のための生産者への補助
事業が影響したとの見方がある。同事業の実施主体は農畜産業振興機構(東京・港)。生産者が
鶏を処分した後、新しい鶏を導入するまで、一定の空白期間を置くなどの条件を満たすと補助金
が支給される仕組みだ。
■農水省の補助事業が原因か
同制度について、農水省は「新しい鶏の導入による産卵率の向上と鶏舎の空白期間を延長して
衛生環境を高めるのが目的」と説明する。しかし、09年の鶏卵相場の低迷で経営悪化に追い込ま
れた生産者を保護する色合いが強いのも事実だ。
今後の鶏卵相場の行方を巡っては、業界内で見方が分かれている。全国農業協同組合連合会
(全農)などが11年1~3月の飼料価格の値上を表明。「鶏卵農家の飼料代が生産コストの大部分
を占める。卸値、小売価格ともに上昇する可能性がある」(鶏卵販売会社)との声がある。一方で、
相場高を背景に鶏卵農家が増産意欲を高めると、先行き供給過多になる可能性もある。鶏卵相
場は今後、どちらに転がるのだろうか。
(商品部 橋本祐一)
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